特集・試練に立たされる国際戦略 2
国際証券業務の前途は限りない発展性を秘めている
岡部陽二 住友銀行取締役国際投融資部長
はじめに
邦銀が海外現地法人を設立して本格的に国際証券業務に乗り出してから、すでに10年余が経過しいる。この間の金融の國際化ならびに自由化の進展には目覚ましいものがあるが、これと軌を一にして邦銀の国際証券業務もますます充実してきている。銀行は、国内では公共債の窓口販売ならびにィーリングを認められているに過ぎないが、海外では一部の制約を除き原則として自由に証券業務全般を行なうことができる。本稿では、急速に脚光を浴びつつある邦銀の国際証券業務を、主に本邦証券会社の海外現法の活動状況との比較を通じて概観するとともに、将来の方向を展望した一個人的見解を披露してみたい。
本論の進め方として邦銀の国際証券業務との対比を本邦証券会社現法のそれに求めたのは、証券会社の国際化がかなり先行してきたため、邦銀系にとっての当面の目標と考えたからにほかならない。
しかしながらわれわれの最終目標はあくまで先進誌国の銀行、マーチャントーバンクであって、これら一流外銀が行なっている証券業務のレベルに一歩でも近づくべく日夜努力しているが、その道のりは達い。この最終目標に到達するためには本邦証券会社と邦銀は互いに協力し合って共存共栄を図り、すでに国際化の進んでいる先進諸口の強大な競争相手に当たることが肝要と確信している。
邦銀の国際証券業務~その歴史と背漿
以下の本文は添付の下掲PDFファイルをご参照ください。
国債証券業務の前途は限りない発展性を秘めている・岡部陽二.pdf
(1983年12月16日発行、東洋経済・金融と銀行、p80~87所収)