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世界遺産(World Heritage Site)~英国切手の魅力シリーズ(34)~



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 20054月に英国とオーストラリアの世界遺産4ヶ所ずつを対にして並べたWorld Heritage Siteと題する記念切手8枚が発行された。

自国の世界遺産は記念切手に多く採り上げられているが、異なった2ヶ国の風物を並べる例は見当たらない。英連邦の絆は今でも強く、英豪を一体視することに違和感は英国人にはまったくないのであろう。

英国側の世界遺産はすべて歴史的な文化遺産であり、オーストラリア側は当然のことながらすべて自然遺産(ウルルは複合遺産)である。数多くの世界遺産の中からそれぞれこの4ヶ所が選ばれた選定基準は定かでない。

上掲4枚は左側から順に次の通り。

1、 Hadrian's Wall,England

ハドリアヌスの長城、イングランド北部、スコットランドとの境界線近くに2世紀にローマ皇帝ハドリアヌスによってローマ帝国の国境線防御のために建設された高さ3~5米の囲壁跡。この土塁の壁はニューカッスル・アポン・タインからカーライルまで東西118キロにわたって連綿と連なっていたが、現存するのはごく一部である。

2、 Ululu-Kata Tjuta National Park,Australia

ウルル・カタジュタ国立公園、オーストラリア大陸のほぼ中心部に位置する世界最大級の一枚岩。詳細については筆者のHP:「世界の三大奇岩」https://www.y-okabe.org/stone/post_303.htmlを参照いただきたい。

3、 Stonehenge,England

ストーンヘンジ、ロンドンから西へ約200キロの英国南部ソールスベリー近くにある環状列石。考古学者は紀元前2,500年から2,000年間に建てられたと考えており、世界で最も有名な先史時代の遺跡である。馬蹄形に配置された高さ7米ほどの巨大な門の形の組石(トリリトン)5組を中心に直径約100米の円形内に高さ45米の立石(メンヒル)が配置されている。かつては石柱群の中まで入れたが、現在は外から眺めるだけ。

4、 Wet Tropics of Quennsland,Australia

ウエット・トロピックス世界遺産地域、オーストラリア大陸北東部に位置するクイーンズランド州に拡がる熱帯雨林。世界でも最も生物多様性の豊かな地域を昼間には熱気球やロープウエーで上から眺め、夜間には夜行性動物を観察する森林ツアーで楽しめる。海岸線に沿って総延長2,000キロにも及ぶグレ-ト・バリア・リーフの景観も素晴らしいが、この熱帯雨林も見逃せない。

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上掲4枚は左側から順に次の通り。残念ながら、筆者は34は訪れていない。

1、 Blenheim Palace,England

ブレナム宮殿。切手の画像は1760年代の大改修で川を堰き止めて作られた広大な池。1012日付けの「英国の庭園と草木」にも掲出。

2、 Greater Blue Mountains Area,Australia

グレーター・ブルー・マウンテンズ地域、100万ヘクタールに及ぶ巨木の森林に91種ものユーカリが自生する地域。砂岩の絶壁、渓谷、滝と原生林でにオーストラリア大陸が他の大陸と離れる前の痕跡を残している。シドニーの西方100キロにあり、電車・バス・ロープウェーなどを乗り継いでシドニーから日帰りで周遊観光ができる。

3、 Heart of Neolithic Orkney, Scotland

オークニー諸島の新石器時代遺跡中心地、北海と大西洋が交わるスコットランド北東沖合に位置するメインランド島に残る巨石文化遺跡。先史時代の集落、石塔、地下構造物、羨道墳、立石などから北ヨーロッパの新石器時代の文化水準の高さを窺い知ることができる。

4、 Purnululu National Parl,Australia

パーヌルル国立公園、西オーストラリア州の北部、パースの2054キロ北東のキンバリー地区にあるバングル・バングル(Bungle Bungle)と呼ばれる砂岩でできた奇岩地帯。褐色の縞模様を成しているドーム状の砂岩地形が重層的に拡がっている。この縞模様は砂岩層に含まれる微生物の量が異なることによって生まれたものと説明されている。

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