2017年11月20日にエリザベス二世女王夫妻は結婚70周年を迎えた。英国で結婚70周年はプラチナ婚と呼ばれる。英国王でプラチナ婚を祝う例は史上初めて。
これを記念して、同日に6枚の記念切手が発行された。左の2葉は婚約中、中央の2葉は結婚式典、右の2葉は新婚旅行中の写真である。戦後2年目の当時、カラー写真はなく、モノカラーである。
結婚70周年記念の公式行事は行われていないが、11月20日の午後1時には70年前に夫妻の結婚式が執り行われたロンドンのウエストミンスター寺院の鐘が鳴り響いて祝った。
前年の4月には、90歳の誕生日を祝い世界最高齢の王室となったエリザベス二世女王生誕90年の記念切手が発行されている。(英国切手の魅力シリーズ38)
ギリシャ国王を父方の祖父、英国のヴィクトリア女王を母方の祖母に持つフィリップ殿下とエリザベス王女が出会ったのは、ダートマスの海軍兵学校を訪れた彼女が13歳の時。当時学生であった殿下に一目惚れしたしたものと言われ、1947年11月20に挙式、翌年には長男チャールズ皇太子が生まれている。結婚から4年余を経た1952年2月に女王として即位。
70年前の結婚式とご成婚パレードは第二次世界大戦終結2年後の困窮期にもかかわらず、盛大に行われた。
もっとも、1936年に退位したエリザベスの叔父のエドワード8世は、戦前に政府の反対を無視してヒトラーの招きに応じて訪独したことから式に招かれなかった。また、フィリップ殿下の三人の姉もすべてドイツ人と結婚、なかにはナチの関係者もいたため三人とも出席できなかった。このような史実が記念切手の解説リーフレットで解説されているのは、いかにも英国らしいところである。
因みに、英「ディリー・メール」紙は、世界の皇室・王室の最長結婚期間を誇るのは一昨年亡くなる直前に結婚75周年を迎えられた三笠宮であるとし、エリザベス女王がこの記録を超えることも可能と報じている。