ジュラ紀と白亜紀の恐竜やその他の先史時代の爬虫類を含む、8枚の新しい魅力的な記念切手が2024年3月20日に発行された。
エクセターを拠点とするデジタル・コンセプトのイラストレーター、ジョシュア・ダンロップによる新しいデザインは、自然史博物館の古生物学部門が提供する科学的正確さと、古生物学の驚異への魅惑的なオマージュとしての芸術的な輝きを放っている。
左上;ティラノサウルス、額面;1st
獣脚類として知られる恐竜のグループに属する獰猛な捕食動物。陸上に生息した最大の肉食動物の一つであるティラノサウルスは、6,800万年前から 6,600 万年前の白亜紀後期に生息していた。最初の骨格化石は1900年に米国ワイオミング州で発見された。
左下;トリケラトプス、額面;1st
最も大きな角を持つ恐竜の1つ。約 6,800万年前、白亜紀後期にティラノサウルスなどとともに生息していた。トリケラトプスの体重は約5トン、体長は最大9メートルで、頭だけでも人間と同じくらいの長さであった。首には湾曲した骨のフリルが突き出ており、鼻の先には硬い嘴を持っていた。トリケラトプスという呼称は「3 本の角のある顔」を意味し、その印象的な角に由来している。
右上;コロボリンクス、額面;1st
中生代に恐竜と共存していた飛行爬虫類のグループである翼竜の一種。翼竜は、2億2千万年以上前に飛行を達成した最初の脊椎動物であり、史上最大の飛行生物であった。
右下;イグアノドン、額面;1st
1億2500万年前から1億1000万年前の白亜紀前期に生息していた大型の鳥脚類。体長は約10メートルで、トリケラトプスやステゴサウルスよりも長く、草食で、1日に30キロほどの植物を食べていたと考えられている。ヨーロッパの多くの場所で化石が発見されている。イグアノドンには大きな親指の突起があり、おそらく捕食者を撃退するために使用されていた。
左上;ステゴサウルス、額面;£2.00
背中に沿って 2 列に平行に伸びる骨の装甲板または棘を持っている。最もよく知られている恐竜の一つであるにもかかわらず、ステゴサウルスの化石は希少。
左下;ディプロドクス、額面;£2.00
史上最も体長が長い恐竜の一つで、竜脚類と呼ばれる恐竜のグループに属する。ジュラ紀末期の 1 億 5000 万年前に生息していた。体長は最大 27 メートル、体重は 20 トンにもなる巨体で、オスのアフリカゾウ 3 頭分に相当する。長い首を使って背の高い木のてっぺんまで登り、櫛のような歯を使って葉を口にかき集めていたと考えられている。
右上;メガロサウルス、額面;£2.00
1億7000万年前から1億5500万年前の中期ジュラ紀に現在のイギリスに生息していた大型の獣脚類。1842年に古生物学者で解剖学者のリチャード・オーウェン卿が「恐竜」という用語を生み出すきっかけとなった3種のうちの1種。1824年にこの生物を「巨大なトカゲ」を意味するメガロサウルスと命名したのは、牧師で古生物学者のウィリアム・バックランドであった。これが、後に恐竜として知られるようになった生物の最初の科学的説明であった。
右下;クリプトクリドゥス、額面;£2.00
プレシオサウルスの一種で、中期三畳紀から後期白亜紀にかけて生息していた海生爬虫類のグループに属する。四肢は大きく発達したパドル状で、亀と同じようにパタパタと上下に羽ばたいたと考えられている。クリプトクリドゥスの化石は数多く発見されているが、英国オックスフォードのクレイ層から発見された化石が有名。
同時に発行されたミニチュアシートには、4枚の記念切手(額面はいずれも1st)があしらわれ、メアリー・アニングの業績を称えている。
左から1枚目より
① メアリー・アニング像
19 世紀最大の化石ハンターの一人であるメアリー・アニングは、一連の驚くべき恐竜化石の発見を成し遂げた。
②左から2枚目;イクチオサウルス・コムニス
ドーセットのライム・レジスで採掘された胸郭内に糞石の残骸がある海生爬虫類の完全な化石化した幼体の骨格。1835 年頃にメアリー・アニングから購入。
③ダペディウム・ポリトゥム
ドーセット州ライム・レジスで1829 年頃にメアリー・アニングが収集したほぼ完全なジュラ紀の魚類の化石。鱗の模様と繊細なひれの構造が見られる。
④プレシオサウルス・マクロケファルス
③と同様に、1830年にメアリー アニングがドーセットのライム・レジスムで収集した尻尾の一部が欠けている海生爬虫類のほぼ完全な化石化した幼体の骨格。
メアリー アニングが恐竜の骨格化石を収集したライム・レジス海岸は、ジェラシック・コーストと呼称されている。ライム・レジスの海岸は世界遺産に指定されているが、今でもアンモナイトの化石が採れる。
ライム・レジスへはロンドンから2時間ほどのドライブで行けるので、筆者の在英中には、週末に10回ほど訪れた。鉱物や化石を売っている店もある懐かしい街である。