2020年9月3日に、英国で最も長く継続的に愛読されてきた漫画であるルパート・ベア(Rupert Bear)の生誕100周年を記念して8枚の切手が発行された。
ルパート・ベアは、英国の新聞・デイリー・エクスプレス(Daily Express)に1920年11月8日から連載されてきた漫画のキャラクターで、英国人でルパートを知らない人はいないと思われているほど有名である。ちなみに、英国が生んだ三大ベアといえば、くまのプーさん、パンディントン、そしてこのルパートとなろうか。
ほとんどの話は、ルパートが家を出るところから始まり、お茶に間に合うように戻って、母親に彼の冒険について話すストリーとなっている。牧歌的なナットウッドの村での若い友人との擬人化されたクマのファンタジーの冒険は、子供たちのお気に入りとなった。
物語は、当初、ハーバート・ターテルによって書かれ、妻のメアリーによって漫画に描かれた。それを引き継いだアルフレッド・ベストールは、1935年から1965年の間に270を超えるルパートの物語を書き上げた。このように一つのキャラクターが複数の書き手によって連載が続けられてきたのは珍しい。
ベストールは、漫画の各フレームの下に韻を踏む詩を入れる方式を確立した。8枚の記念切手は、4つのペアで構成され、ベストールのアートワークを再現している。
上段左より順に、この詩文を紹介する。
ルパートの雨の冒険(1944年)、額面;2nd
①"Then with a terrifying roar, The water bursts in through the door"
(それから、恐ろしい轟音とともに、激流がドアから入ってきました)
②"The bath is rocked from side to side, And Pompey quite enjoys his ride"
(お風呂は左右に揺れ、そしてポンペイは波乗りの心地をとても楽しんでいます)
ルパートとマーレの巣(1952年)、額面;1st
③"Then Algy looks a trifle glum, "I'm going home" he tells his chum"
(それからアルジーはちょっと不機嫌そうに見え、「家に帰ります」と彼は友達に告げます)
④"The large bird says, "Our king will know; Climb on my back and off we'll go"
(大きな鳥は言いました、「私たちの王は知っているでしょう。私の背中に登って。私たちはそこへ行きましょう」)
下段、左から順に
ルパートと失せたカッコウ(1963年)、額面;£1.45
⑤"There's something puzzling all of you," Says Rupert. "So please tell me too"
(「あなた方全員を困惑させる何かがあります」、「だから私にも教えてください。」とルパートは言います)
⑥"My cuckoo's back again - hooray! He didn't really go away!"
(「私のカッコウがまた戻ってきた―やったー、カッコウは本当に逃げたのではなかった!」)
ルパートのクリスマスツリー(1947年)、額面;£1.70
⑦"Though Rupert searches all around, There's not one spruce tree to be found."
(ルパートはあちこちを探しますが、トウヒの木は1つも見付けられません)
⑧‟The tree is such a lovely sight, That Rupert's chums gaze with delight"
(クリスマス・ツリーはとても素敵な光景です、そのルパートの友達は喜んで見つめています)