2018年11月14日にチャールズ皇太子の70歳の誕生日を祝う記念切手6枚セットが発行された。
上段左と下段中央;チャールズ皇太子の近影
上段中央;カミラ夫人(コーンウオール公爵夫人)と
上段右と下段左;二人の息子、ウイリアム王子とヘンリー王子と、上段右はRoyal Air Force(RAF)100周年記念式典参加時
下段右;ランカシア州にある小学校訪問時のチャールズ皇太子
70歳というと日本では古希にあたり、英国人にとっても定年を過ぎて穏やかに余生を過ごすような年齢であるが、エリザベス女王(92)がまだまだご健在なことから、次期王位継承者となってから実に66年が経過している。
二人の息子夫妻との不仲説などもまことしやかに報じられているが、70歳の誕生日を記念して撮られたご一家の写真(下掲)が公開された。
チャールズ皇太子と再婚相手のカミラ夫人を囲んで撮られた家族全員の写真は珍しい。チャールズ皇太子の膝に乗っている孫ジョージ王子と、カミラ夫人の隣にちょこんと座っているシャーロット王女、そして昨年生まれたばかりのルイ王子も入っている。事前に打ち合わせがされていたのか、ブルーと白のお洋服で統一され、ファミリーとしての団結を象徴しているようである。
チャールズ皇太子はケンブリッジ大学のトリニティ・カレッジで考古学と人類学を学び、学部の後期課程で専攻を歴史に変更して1970年に卒業。その後、父、祖父と曽祖父の足跡をた辿って海軍に入隊し、1974年にはヘリコプター操縦士としての資格を得た。
1981年2月にレディ・ダイアナ・スペンサーと婚約、同年7月29日にセント・ポール大聖堂で結婚式が盛大に執り行われた。この様子はテレビ中継され、全世界で7.5億人が視聴したとされ、ダイアナ妃は一夜にして夫を凌ぐほどの有名人になった。その後、二人は、1982年6月21日にウィリアム王子を、1984年9月15日にヘンリー王子を授かった。しかし、ダイアナ妃とチャールズ皇太子は1992年に別居、1996年に離婚を発表。ダイアナ妃がパリで事故死したのは、その翌年であった。
その後、2005年に30年前から親しく付き合っていたカミラ・パーカー・ボウルズとウィンザーの市庁舎で小規模な民事婚式を挙げ、結婚した。当初は、二人の結婚を疑問視する国民も多かったが、夫妻の賢明な王室公務、とくに慈善活動への献身的な従事により、最近ではイギリス国内外で高い評価と尊敬を得ている模様である。皇太子は、イギリスの『テレグラフ』紙から「もっとも働き者のイギリス王族」と称されたこともあり、1976年にイギリスの若者を支援する慈善団体、ザ・プリンス・トラストを立ち上げて以来、これまでに16以上の慈善団体を設立した。近年はとりわけ環境問題への熱心な取り組みで知られている。
スキャンダルを乗り越え、尊敬を勝ち取ったチャールズ皇太子は、衰え知らずの女王とともに、これからも英国の王室を引っ張っていってくれるものと期待している。