2019年1月15日にクラシック切手(Stamp Classics)6種が発行された。クラシック切手の定義は定まっていない。通常は1840年のブラック・ペニーから19世紀末までに発行された切手を指すものの、1900年以降に発行されたものも含む場合もある。
今回発行された6種には、ヴィクトリア女王から6代にわたる国王の肖像が入った普通切手が1枚ずつ選ばれた。
上段左から順に次の通り。
1ビクトリア女王(在位;1837.6.20~1901.1.22)
額面;1ポンド、1891年発行
1884年初発行切手のライラック茶色が1891年1月28日にグリーンに変更された。細かい彫刻の図柄は偽造を防ぐためであった。シートのスタンプの隅の文字を1枚ごとに替えるのも同じ目的で行われた。
2、エドワード7世(在位;1901.1.22~1910.5.6)
額面;2ペンス、1910年発行
古代紫の李色。コスト削減のため、2色から1色となった。1910年4月にこの新デザインの切手が印刷されたものの、郵便局が以前発行の2dの在庫を保有していたため、結局この新デザインの切手は販売されなかった。例外的にただ1葉だけ当時の皇太子宛ての封筒に使用され、1910年5月6日に到着した。これを受け取った皇太子が、その日にジョージ5世となった。
発行済みの切手が1枚だけしか使われなかったという例は極めて珍しい。(この1葉だけ使われた残余の切手シートと皇太子あてに出状された封筒を下掲)
3、ジョージ5世(在位;1910.5.6~1935.1.20)
1913年発行、2シリング6ペンス
「タツノオトシゴ(Seahorse)」として知られるジョージ5世切手は、古典的な切手の典型として高く評価されている。
下段左より
4、エドワード8世(在位;1936.1.20~1936.12.11)
1936年発行、額面;1½ペンス
このエドワード8世の肖像切手は、1936年4月にヒューバート・J・ブラウンと呼ばれる17歳の学生が考案したデザインが採用されたものである。
5、ジョージ6世(在位;1936.12,11~1952.2.6)
1940年発行、額面;½ペンス
ブラック・ペニー切手発行100周年を記念して図案を公募の予定であったが、世界大戦中勃発のため延期され、1939年12月にハロルド・パーマーのデザイン採用が決まった。
6、エリザベス女王2世(在位;1952.2.6~)
1953年発行、額面;2½ペンス
1953年6月2日に行われたエリザベス女王2世戴冠式を祝うために、戴冠式翌日に4種の切手が発行された。スカーレット色の2½ペンス切手は、このなかの1葉である。多くのデザイナーが招待され、75件を超えるアイデアが提出された。それらの中から4人のアーティストが4種それぞれに選ばれた。