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ダーウィン生誕200年記念 ~英国切手の魅力シリーズ(19)~ 

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 チャールズ・ダーウィン(18091882)生誕200年を記念した6枚の記念切手(上掲)と4枚1組の小型シート(下掲)が20092月に発行された。

6枚の記念切手は左上・ダーウィンの肖像から右へ順にジグゾー・パズル形式で繋いで、ダーウィンが興味を持った学問分野の移り変わりを示している。Zoology(動物学)から始まり、Ornithology(鳥類学)、Geology(地質学)、Botany(植物学)、Anthoropology(人類学)へと、それぞれの学問での観察対象をイメージで表現したものである。

弱冠22歳の研究者・ダーウィンは18311227日に10門の大砲で武装された小型の帆船「ビーグル号」に乗り込んでプリマス港から5年間に及ぶ世界一周の探検航海に出た。ビーグル号は太平洋を南下、南米大陸を廻ってフォークランド諸島やガラパゴス諸島に長期滞在し、オーストラリアから喜望峰を経て1836年の10月に英国へ戻っている。この航海で、彼は770ページの日記、1,750ページの観察記録を残し、5,436点の動植物標本などを持ち帰った。

この航海での研究成果を20年後に纏めて刊行された「種の起源」発想の原点となったガラパゴス諸島の動植物を描いた小型シート(下掲)には、①飛ぶことができない鵜、②巨大な象亀とサボテンに停まるフィンチ鳥、③水陸両棲のイグアナ、④ガラパゴス・マネシツグミが収められている。1859年に刊行された「種の起源」は29か国語に翻訳されて、歴史上世界でもっとも広く読まれた科学書となった。

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 ダーウィンは、この島でウミイグアナとリクイグアナをつぶさに観察し、この二つの種はもともと南米大陸にいたイグアナが流木に乗ってガラパゴスに流れ着き、やがて、サボテンを食べるリクイグアナと海草を食べるウミイグアナに種分化したものと考えた。

ガラパゴスには肉食動物は渡って来なかったので、強者が弱者を食い尽くすということはなく、環境に適応しなかった生物がまさに自然に淘汰されたのもと発想したのである。ガラパゴス諸島はこの経過がよく分かる世界でも稀な地域であった。この考察が、生物の種は不変ではなく、自然淘汰によって進化するとの進化論の出発点となった。

エクアドルのグアヤキル市中心部にあるイグアナ公園には無数のリクイグアナが飼育されている。一方、ガラパゴス島では、陸上に十分な餌がないためにやむなく海草を食べるべく水棲動物に転化したウミイグアナが主である。

ところが、このウミイグアナも人が近づくと海へ逃げるのではなく、丘の上へ逃げる。筆者もガラパゴスでこのイグアナの習性を観察して、DNAのなせる業をなるほどと納得した次第である。

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