新コーナー『E－time』が始まります。趣味を生かして「いい時間～ＴＩＭＥ」を過ごしている方をどんどん紹介していきますので、ご期待ください。
　今回の「特集」は、会長へのインタビューをはじめ5人のデジタリアンにパソコンの活用法や悪戦苦闘している様子を紹介してもらいました。 

～映画「ディスクロージャー」をご覧になって、E－MAILに興味を持たれたとの事ですが、会長とパソコンの出会いをお聞かせください。

　あの映画の中でE－MAILが窮地に陥った主人公を助ける重要なツールとして使われているのに感心して、興味を持ったのです。ちょうどその頃、7年程前に買ったワープロが故障したので、直しに行ったら「こんな古いものを使っているのですか」と言われ、思い切って、パソコンに買い換えたわけです。一長一短はありますが、パソコンの方が使い勝手がよいと思います。作ったものをフロッピーディスクでなく、パソコン内蔵のハードディスクに落とせるのも楽ですしね。

～会長にとってパソコンはどの様なモノなのでしょうか。

　僕にとってパソコンは老後を楽しむためにあるのです。多様な情報を得るのにパソコンは便利ですし、趣味にも活用できます。

～どの様な趣味に活用されておられるのでしょうか。
囲碁が好きで囲碁の通信ソフトを使っています。

　ほんとに、これは素晴らしい（笑）。　今晩も打つのですけどね。これ以上のものが果たして出来るのかという気がするくらい碁に関しては完成したシステムだと思います（笑）。パソコンというのは碁を打つためにあるのではないかな(笑）。碁は打ち方がシンプルだからコンピユーターに馴染みやすいと思うのです。　　

～白と黒だと0と1だけでデジタルですし。

　通信で相手を探すので、基本的に碁会所と同じシステムです。　もちろん、インタラクティブで、リアルタイムでもあります。昔、葉書碁というのがありました。　一手ずつ葉書でやりとりする訳ですから、何ヶ月もかかったのです。それが、瞬時でやれる。まさにリアルタイムです。さらに、家に居ながら、いつでも全国の人と碁を打てる。　そして最大のメリットは碁の指導もやってくれることでしょう。

～話題のインターネットヘはアクセスされましたか。

　まだ始めたばかりで検索の段階なのですが、世界中の情報源と結びついているので楽しいですよ。多少分からなくても、この先に何があるのだろうという楽しみがあります。まずは自分の趣味の範囲で使えればと思っています。

～便利なホームページはありましたか。

　内外の新聞のホームページを覗いて廻るのも結構面白いのですが、インプレス社が始めたインターネットのための「インターネット・ウォッチ」という新聞があるのです。これは商品別の通信販売からイベントの予定まで、様々な情報が手に入って便利です。

～現在はかなり使いこなされているようですが、パソコンを始めた時に、どのような点で悪戦苦闘されましたか。

　ちょっとしたことが判らなくなるのです。すったもんだした挙げ句、ケアレスミスに大騒ぎしてしまう。マニュアルを見ても判らないし。メーカーにはこの辺りの改善をお願いしたいですね。ハウ・ツー本などコンピューター関連の書籍はかなり読みました。お陰で知識だけは豊富になりました。

～２０冊以上お読みになったとか。

　それはそうですが、実際に使わないと、なかなか頭には入らないですよ。

～ビギナーにお薦めの書籍はありますか。

　村井純さんが監訳された「インターネット・ユーザーズ・ガイド」です。これはよく書けていると思います。

～どのようにして一年という短期間で上達されたのでしょうか。

　コンピューターに詳しい若い知人に指導してもらいました。われわれ世代の最大のネックは周りに詳しい人がいないことです。その点、若い世代は誰かがパソコンをやっているので浸透しやすいのでしょう。

～これからパソコンを始める方々に向けてアドバイスをお願いします。

　それは「思ったら、迷わずにやれ」と言うに尽きます。パソコンは車とよく似ていると思うのです。車の発明で人の行動範囲は格段に広がった。パソコンでも同じ。わざわざヨーロッパまで出掛けなくても、インターネットでスイスの山の様子を知ることができる。それだけ、世界規模に視野が拡大するわけです。そこが面白くて、これからもパソコンを活用しようと思っています。

～最後に、会長にとって上達のコツは何でしょうか。

　好奇心と執念しかないですね。　まずキーボードに慣れること。キーボードにはすぐ慣れますよ。これから始める方は自信を持って始めてください。

～ありがとうございました。　　　　　　　　　　　　　

（1996年4月刊行、明光証券社内報「ほうゆう」No.35"EnjoyEnergeticE-time　特集"所収）